お問い合わせフォーム 24時間オンライン予約 Scroll

虫歯の治療

虫歯治療の定義

虫歯治療の根本的な目的は
「再発させないこと」です。
歯は一生使用する大切な体の一部です。

虫歯治療の大前提

プラークコントロール
食習慣の改善
(食事の回数、質のコントロール)

虫歯がなぜだめなのか?

患者様目線でお話ししますと、痛みがでるから、、、になります。一番大切なところで、切実な問題です。ただ痛みの問題は虫歯を適切に処置すれば、痛みをとることは可能です。痛みがずっと続いて、何をしても治せないということはありません。患者様目線では、痛みが止まったらいったん治癒したとお感じになりますが、歯科医学的には、大きな問題をかかえたまま将来にその問題が表出することが多くこの問題が多くの歯科医院で解決できていないところで、われわれもいつも頭を悩ませています。予防歯科の根幹にかかわるところです。ここを重点的に解説します。

虫歯になった後、治療後削り取って何かの材料で埋めるが、
自分の歯(エナメル質、象牙質の構造)以上に良い材料はありません

そして、構造上どんどん弱くなり、最終的には、破折して歯を抜歯を余儀なくされる

歯の一生(虫歯が再発を続け、最終的に抜歯になる図解)

まず食生活や、ブラッシングの技術的な不適切、頻度が少ない等の問題で初めての虫歯ができます。

その虫歯になって穴が開いた部分を歯科医師が柔らかくなっていない(虫歯におかされていない)部分まで削ります。その穴が開いていた部分とまわりを削った部分を一般的な保険診療では、金属で修復します。

当初虫歯になった理由(食生活、ブラッシングの問題等)が改善されていなければ、当然のように2次う蝕として、再発します。理由は、まったく虫歯のない歯の構造以上に強い、良い材料はないからです。全く異常のなかった歯が虫歯になった条件では、修復物の入った歯はなおさら、再発するということです。

この再発したときに、前回の虫歯治療の際に削った削り方が問題になります。金属で治療する際は、接着しないので、はまり込むように大きく削っています。この削ったところに再発した虫歯が及ぶと、容易に神経に到達してしまいます。そして痛みがでるので、再発したときは、神経を取らないといけなくなることが多いわけです。

神経をとると、今度は歯の構造上の機械的強度が著しく落ちます。よって全体をかぶせるクラウンを適応しなくてはいけなくなります。一般的に保険の診療であれば、これは銀歯になります。現在保険が改正されて、部位によっては白い強化プラスチック製のものも適応できるようになっていますが、これも歯には接着しません。

強度が落ちてしまった歯は、何年後かには、(統計的には平均20年以内)に歯の根が割れてしまって(歯根破折)抜歯になってしまう

結局最初に虫歯になった食生活、ブラッシングの状態に改善がなければ、この進行性の疾患(病気)虫歯を止めることは難しいということです。

ここでは、詳細は省きますが、歯の構造として、
最外層のエナメル質はとても固く、酸にも強い構造です。

このエナメル質の表層を虫歯菌によって溶かされて突破されることから虫歯は始まります。
このような状態です。
レントゲン写真では表面的には見えずらいですが、(口腔内拡大写真)開けてみると、
このようになっています。

これを修復する材料が難しいわけです。
自分のエナメル質を溶かしてまで浸食した虫歯菌にこんどは人工の修復物で対処しなくてはいけないので、その難しさがご理解いただけると思います。自分のエナメル質、象牙質と同等の修復物はないということです。よって 歯の一生的に、再発し、また歯を削り健全な部分が小さくなり、いずれ神経に到達し、神経をとり、、、、の悪循環に入っていきます。(多くの歯科医師、患者様が悩んでいるポイント)

ここで大切なのは、接着という考え方をもった材料を選択するということです。
エナメル質と同等の硬さや、圧縮強さ、は難しいのですが、残っている歯質に接着することで、再発する可能性のある場所を減らしていくという考えです。

DB(ダイレクトボンディング)

ダイレクトボンディング

治療前

治療後

ダイレクトボンディング治療とは

ダイレクトボンディング治療とは、虫歯を最小限に切削しマイクロ顕微鏡等の拡大視野で直接その窩洞を詰めて光照射する接着性の修復治療です。特殊なレジンを用いて行うため精度が高く、虫歯の再発が少ない治療です。

歯に接着する材料

ラバーダム防湿 口腔内はとても湿っている。お風呂場で、何か接着しようとしても湿気のため、接着しずらいと同様に、口腔内の湿度は90%ですから、乾燥条件を作り出すためにラバーダム防湿は非常に重要になります。
マイクロもしくは拡大鏡 正確に形を付与し、接着させるには、視野の確保が重要。
特殊道具 狭い場所で、正確に処置するための道具。

削った歯の修復治療

金属で修復しようとすると金属は歯質に接着しない、どちらかというとはめ込むイメージよって大きく削ることが強度的にも重要になります。

虫歯治療した後に金属を入れた歯で食べ物を噛むと違和感を感じたことはありませんか?
これはたわみが原因です。

大きく削る

天然歯は同じ組織でできているので、噛んだ時力が均一に伝わります。しかし間に別の組織(金属の詰め物などがそれにあたります)が入った状態で噛むと噛む力は均一に伝わらずその差がたわみとして起こります。

歯のたわみ

修復した詰め物・被せ物は割れます。虫歯の再発と感じますが、強度不足の場合もよくあります。歯を大きく削ると強度の不足も出てきます。最初になるべく削らないが一番重要です。歯にとって一番良い材料で、歯に接着し、なるべく削らず治せるのが、一番良い方法であると思います。

歯の一生の図

セラミックインレー

セラミックインレー

|

もう少し大きい虫歯の場合、
セラミックインレーが必要になります。

セラミックインレーは審美的で、見た目を優先したい部位に使用すると考えておられる患者様が多いですが、予防歯科医学的に、比較的大きな窩洞になった場合には、必要な材料なのです。

①窩洞の大きさ

DB(ダイレクトボンディング)で修復できるのであれば、それが一番良いです。しかしDBは窩洞(虫歯を削ってできた穴)が大きくなると、重合収縮の問題(DBが固まるときに少し収縮してしまうこと。大きい体積の修復の場合より大きくなる。)が表面化してくるので、接着に問題出てきます

ダイレクトボンディング

②破折を防ぐ

修復すべき大きさが頬舌幅(頬舌幅写真参照)に2分の1くらいになってくると、咬合力(噛む力)が加わったときに外側にさける力が加わります。

この力は接着していないメタルインレーでは特に制御しずらく、歯質が将来的に破折することが多いです。その点セラミックインレーでは歯質と接着し、一体化することで、この破折力に対して、抵抗します。

破折を防ぐ

③歯質と同じようなスピードで
摩耗する

セラミックの材質は、歯質と同じようなスピードで摩耗します。比べて、メタルインレーは、固く摩耗しないので、将来的に歯質との段差ができます。この段差ができたときに、歯質と接着していないので、比較的容易に、カリエスが進行していきます。

歯質と同じようなスピードで摩耗する

一日でできる
ワンデーセラミックインレー

治療前

治療後

口腔内スキャナーによる撮影
歯科医師がセラミックインレーのための印象を口腔内スキャナーで撮影します。形成方法は特殊な方法で、接着に有利な形態をイメージして形成します。
設計デザイン
院内常駐技工士がそのデータをもとにエクソキャドというソフトを用いて、コンピューターで設計デザインをします。形成方法は特殊な方法で、接着に有利な形態をイメージして形成します。最後に、セラミック加工機で形成し、仕上げをして完成になります。この工程が最短2時間で行えるので、当日にセットできます。

同日にセットできる
歯科医学的なメリット

最短2時間でセットできます

通常のメタルインレー修復では、印象後1週間程度後にセットすることが多いのですが、理論上24時間以上 形成した面(象牙質)を口腔内の唾液にさらされると、象牙細管内感染がおこるとされています。きれいに洗浄してからセットするのですが、果たしてそれで完全であるのかは、わかりません。

24時間以内にセットできるワンデーセラミックインレーでは、この問題を歯科医学的に解決しているので、この点でも安心です。

歯質と同じようなスピードで摩耗する

まとめ

セラミックインレーはメタルインレーに比べて、
審美的であるということ以外のメリットですが、

窩洞の大きさが大きい場合、従来法では接着させずらいが、
理想的な接着が望める
歯質が咬合力によって破折しやすい大きさの窩洞の場合、
接着して歯質と一体化するのでそのリスクが低減される
歯質との段差ができることを防ぐことができる
ワンデーセラミックで、象牙質の感染を防ぐことができる

〜ポイント〜

虫歯は通常再発します。ただ、再発させないには、まずブラッシングプラークコントロール、食事の回数、質のコントロール、そして接着が大切になってきます。

〜ポイント〜