セラミック症例6

根の部分で破折しており、残念ながら、
どのような方法をとっても歯を残せる状態ではないと診断しました。
この歯が悪くなってしまった理由として、咬み合わせが悪く、特定の歯のみねじれるような力がかかるという可能性があります。今回破折していた、銀歯の一つ前のセラミックも強くあたっているため、セラミックの一部がかけており、強く負担がかかっていることが示唆されます。

その他の歯も見てみると、強く当たっている可能性がある歯が指摘できます。
このような状態のかみ合わせのまま、インプラント治療をしてもそのインプラントも長持ちしない可能性もありますし、今負担がかかっているほかの歯も今後破折がすすみ、インプラントを適応しなくてはいけなくなる可能性もあります。
この問題について、しっかり診断する必要があると考えられました。

写真は左前歯のかみ合わせを示します。CRとは、顎関節を基準にした本来持っているべき咬み合わせの場所です。
この部分で早期接触といって、歯が特定の歯のみあたって、他の歯が当たらない状態は、不安定ですので、患者様が無意識のうちに、顎をずらして、ICP（たくさんの歯が接触するかみ合わせ）に持っていきます。
このCR（本来のかみ合わせの位置）とCOがずれていることが、歯が破折する見えない要因になっていると考えられました。

CR（本来のかみ合わせの位置）で多くの歯が当たっておらず、特定の歯のみあたってしまっていることがわかります

当院では、ドーソン法を用いて、咬合調整を行います。
模型上で、まず早期接触部位を確定して、それを模型で削合し、正しいかみ合わせに調整できることをまず確認してから、その模型を参考に、実際の口腔内で調整します。

左は咬合調整前の咬合接触部位で、右は、ドーソン法にて咬合調整を行った状態のコンピューター処理画像です。
より多くの歯で、まんべんなく当たっていることがわかります。多くの歯で当たっているということは、歯列全体で、力を分散できているということになりますし特定の歯のみ悪くなることを回避できている状態です。また患者様の感覚も以前より、安定してかめるようになった。（以前は咬み合わせても安定していないのでずれる。）肩こり等も楽になった気がするとお伝えいただきました。

かみ合わせが落ち着いたところで、左上の抜歯とインプラント治療を計画していきます。

歯を抜いたあと、骨がないので、ソケットリフト（上顎洞骨移植）を計画しました。